英治出版オンライン

英治出版の書籍をより楽しむコンテンツ、よりよい未来をつくるアイデア、読者を応援する企画を発信します。

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    マガジン

    • 連載:「好き」を言語化しよう

      道徳の教科化が始まり、「忖度」が流行語となる時代。善悪の判断や他人への配慮が問われる一方で、飛び抜けた活躍をする人たちはみな、自分自身の「好き」を表明し、徹底的に追い求めている。社会を動かすのは、正しさ以上に「好き」を原動力にしている人たちではないだろうか。 この連載では、国際舞台で戦う日本企業の発信を長年支援し、4年間で延べ1万5,000人以上の子どもたちに「話す力」を育む出前授業を行ってきた著者が、自らの「好き」を言語化する力の可能性を、プレゼンやチームづくりなどの様々な場面における効用を示しながら探る。

    • Next Stage Organizations

      ティール組織、ホラクラシー……いま新しい組織のあり方が注目を集めている。しかし、どれかひとつの「正解」があるわけではない。2人のフロントランナーが、業界や国境を越えて次世代型組織(Next Stage Organizations)を探究する旅に出る。

    • 学習する組織×セルフマネジメント

      日常生活やチーム、組織で起きる課題は、どれも複雑に絡み合った「システム的」なものばかりです。システム思考を基軸とする『学習する組織』は、自己・組織を変革する方法を提供し、英治出版のロングセラーとして多くの方々に支持されています。一方で、本や講演で知ったことを実践できない、という課題を持つ人は少なくありません。 そこで私たちは、「本と実践をいかにつなげるか?」「どうすればこの場に集った人たちの同僚や家族にもポジティブな変化をもたらせるか?」「新しいことを継続するには何が大切か?」こうした問いに答えるべく、「学習する組織×セルフマネジメント」全5回プログラムを企画しました。 本マガジンでは、プログラムのファシリテーターや企画者の思い、参加者の声などをご紹介します。

    • なぜ「心理的安全性」が必要なのか

      近年、ビジネスや組織論の文脈て注目されている「心理的安全性」。様々な誤解も生じているこのコンセプトの本質は何か、そして、これからの組織にとってなぜ必要なのかを考えます。

    • 『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開

      火の利用から気候変動対策まで。エネルギーと人類の歴史をわかりやすく解説し、現代に生きる私たち皆にかかわる「エネルギー問題」の本質と未来への道筋を描いた『エネルギーをめぐる旅──文明の歴史と私たちの未来』(古舘恒介著)。出版以来大きな反響を呼んでいる本書の一部を公開します。第1部「エネルギーの視点から見た人類史」の第1〜3章、および第4部「旅の目的地」の第1章、計80ページ分を5回にわたって連載。読みごたえのある「旅」を、ぜひお楽しみください。

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    記事一覧

    学びに「喜び」と「誇り」を⾒出す学校とは?〜「美しい作品(beautiful work)」とPBLの最先端【『⼦どもの誇りに灯をともす』…

    2023年3月に発刊された『⼦どもの誇りに灯をともす』は、アメリカの小さな学校の教師だったロン・バーガーの教育思想が詰まった一冊です。全米屈指のPBL(プロジェクト型学…

    教育格差が広がるいま、「教育現場にいない大人」は何ができるのか──出版1周年記念:『すべての子どもに「話す力」を』第8章…

    ※WEB掲載にあたり、書籍内容より一部を割愛・変更し、写真や図を挿入している箇所があります。 ※本記事の公開期間は2023年6月11日(日)までの予定です。 「ウチの子は…

    対立の声を聞く〜「違い」が浮き彫りになる時代に求められる「エルダーシップ」とは何か【『対立の炎にとどまる』対談イベントレ…

    「対立をしっかり立てる」勇気 松村:では簡単に自己紹介からいきましょうか。僕はバランスト・グロース・コンサルティング株式会社という、組織開発やコーチングの提供を…

    『ティール組織』の次本2(嘉村賢州:home’s vi代表理事)

    株価の下落、従業員の意欲低下、元CEOのスキャンダル、創業者と取締役会の対立……まさに瀕死の状態から事業再生、そして大きな成長を遂げたアメリカ家電量販店大手のベス…

    ワークショップの学びを日常で続ける工夫(学習する組織×セルフマネジメント 参加者インタビュー)

    事実+思考だけでは気づけないこと田中:豊田さん、よろしくお願いします。プログラム中と同じく今日も「とよさん」と呼ばせてください。 とよさんは、このプログラムに参…

    『コーポレート・エクスプローラー』解説全文公開

    本書『コーポレート・エクスプローラー』は、「両利きの経営」を理解するためではなく、まさに実践するための本です。本書の意義を十分に理解するためには、この経営理論の…

    変化は、私たちみなの領域なのだ━━『世界はあなたを待っている』より「プロローグ」一部公開

    過去30年の技術革新とグローバリゼーションで、何もかも変わった。極貧の割合は10%に下がり、携帯電話が地球上のほぼすべての人をつないでいる。私たちは互いの居間をのぞ…

    『コーポレート・エクスプローラー』第1章全文公開

    業界を一変する「破壊的イノベーション」は成熟した企業には適さない、と普通は思われている。完成した事業モデルのもとで利益を上げて成長してきた企業には、慣習に反する…

    「あなたは神秘の出現に対する障害を取り除いている!」━━『共に変容するファシリテーション』本文一部公開

    変容型ファシリテーションは、変容をもたらすために人々が協働することを支援する今までにない力強いアプローチである。私は何十年もファシリテーターをしてきたが、このア…

    伝説のファシリテーターが体験から導き出した理論とは(小田理一郎:チェンジ・エージェント代表取締役)━━『共に変容するファ…

    本書が、こうして日本で出版されることはとてもタイムリーだと考えます。日本は、今転換期のまっただ中にあるからです。 デジタル・トランスフォーメーションや人材の多様…

    小さなラジオ局、火山の村を変える──『雑草ラジオ』一部公開

    はじめに2014年、世界銀行主催のハッカソン〈レース・フォー・レジリエンス〉が開催され、先端ITによる防災・減災のアイデアが競われました。 そのなかで、昔からの枯れた…

    「一人ひとりが対立を解決する力を持っている。」――『対立の炎にとどまる』訳者まえがき全文公開

    訳者まえがき 本書の原題であるSitting in the fireとは、「炎の中に座す」という意味です。 私たちが暮らす現代社会では、日常的な行き違いから国家どうしの争いにいたる…

    『現代の奴隷──身近にひそむ人身取引ビジネスの真実と私たちにできること』訳者による解説的あとがき(山岡万里子)

    「現代奴隷」とは何か「奴隷」という言葉を聞いて、どんな光景を思い描くだろうか。 ぼろをまとい汗と泥にまみれた人々。手かせ足かせ、そして鎖。古代文明における戦争捕…

    「この国で、生きていても死んでいても居場所がないのは、同性愛者だけ」──『純粋な人間たち』第一章前編公開

    「あの動画観た? 一昨日から出回ってるやつ」 僕は快楽の余韻に身を任せて眠りこんでしまおうとしていた。そうはいかなかった。この地上ではいつだって慈悲に満ちた声が…

    「学習する組織×セルフマネジメント」第1期振り返り(福谷彰鴻さん、稲墻聡一郎さん)

    Q1 初のコラボ、どうだった? 稲墻さん:「学習する組織」と「セルフマネジメント」を同時に学べる場はこれまでありませんでした。もう1人のファシリテーターの福谷さんは…

    『現代の奴隷──身近にひそむ人身取引ビジネスの真実と私たちにできること』一部公開: 序文──なぜ?

    マンハッタンにあるレストラン《ボンド45》で、ロイターの同僚でもある友人セイダと夕食をともにしていたときのこと。パリが憧れだと言う相手に向かって、私は、母方が先祖…

    学びに「喜び」と「誇り」を⾒出す学校とは?〜「美しい作品(beautiful work)」とPBLの最先端【『⼦どもの誇りに灯をともす』対談イベントレポート】

    2023年3月に発刊された『⼦どもの誇りに灯をともす』は、アメリカの小さな学校の教師だったロン・バーガーの教育思想が詰まった一冊です。全米屈指のPBL(プロジェクト型学習)校、ハイ・テック・ハイにも影響を与え、現場の教師に20年読み継がれてきました。 クラスメートから批評してもらい、何度も推敲を重ねてつくりあげた美しい作品(beautiful work)をみんなの前で発表する。プロジェクト型の授業を通して生き生きと学ぶようになる子どもたちの姿が本書には描かれます。 ⽇本の

    教育格差が広がるいま、「教育現場にいない大人」は何ができるのか──出版1周年記念:『すべての子どもに「話す力」を』第8章を期間限定で一部公開(2023年6月11日まで)

    ※WEB掲載にあたり、書籍内容より一部を割愛・変更し、写真や図を挿入している箇所があります。 ※本記事の公開期間は2023年6月11日(日)までの予定です。 「ウチの子は大丈夫」で終わらせないで──コロナ禍で露呈した教育格差コロナ禍で、2020年3月頭から全国で一斉休校の措置が取られました。その後も緊急事態宣言が出された都道府県では、6月に分散登校が始まるまで子どもたちの学びが止まるという未曾有の事態が起きたのです。そのあいだ私立ではオンライン授業にいち早く転換する学校が多

    対立の声を聞く〜「違い」が浮き彫りになる時代に求められる「エルダーシップ」とは何か【『対立の炎にとどまる』対談イベントレポート】

    「対立をしっかり立てる」勇気 松村:では簡単に自己紹介からいきましょうか。僕はバランスト・グロース・コンサルティング株式会社という、組織開発やコーチングの提供を行う会社で取締役をしつつ、日本プロセスワークセンターの教員としても活動しています。 プロセスワーク(※)との付き合いは長く、『対立の炎にとどまる』の著者、アーノルド・ミンデルさんにアメリカで師事していたこともあります。また、書籍の翻訳を担当させていただきました。よろしくお願いします。 櫻本:もともとは外資の証券会社

    『ティール組織』の次本2(嘉村賢州:home’s vi代表理事)

    株価の下落、従業員の意欲低下、元CEOのスキャンダル、創業者と取締役会の対立……まさに瀕死の状態から事業再生、そして大きな成長を遂げたアメリカ家電量販店大手のベスト・バイ。 同社のV字回復の原動力となったパーパスを目にしたとき、私は率直に「こんなに広くていいの?」と思いました。 「テクノロジーを通して、人々の暮らしを豊かにする」 この一文だけ読むと、ベスト・バイに限らず、他のさまざまな企業が掲げていてもおかしくないパーパスです。 しかし読み進めていくうちに私は確信しま

    ワークショップの学びを日常で続ける工夫(学習する組織×セルフマネジメント 参加者インタビュー)

    事実+思考だけでは気づけないこと田中:豊田さん、よろしくお願いします。プログラム中と同じく今日も「とよさん」と呼ばせてください。 とよさんは、このプログラムに参加される前から、ファシリテーターの福谷さん主催の「学習する組織」のコミュニティに参加されていたんですよね。 豊田:以前から「学習する組織」をもっと深く広く学びたいという思いがありました。そしてセルフマネジメントの源流であるピーター・ドラッカーは最近ふたたび注目を集めていて、学習する組織とのコラボレーションに純粋にワ

    『コーポレート・エクスプローラー』解説全文公開

    本書『コーポレート・エクスプローラー』は、「両利きの経営」を理解するためではなく、まさに実践するための本です。本書の意義を十分に理解するためには、この経営理論の本質、そしてこの理論が日本でどのように受け入れられてきたかを振り返ることが欠かせません。 この解説の前半では、両利きの経営の核心を説明し、後半で本書の読むべきポイントをお伝えします。 両利きの経営、4つの論点上滑りする危険のある両利きの経営 マイケル・タッシュマン、チャールズ・オライリー両教授が提唱した経営理論A

    変化は、私たちみなの領域なのだ━━『世界はあなたを待っている』より「プロローグ」一部公開

    過去30年の技術革新とグローバリゼーションで、何もかも変わった。極貧の割合は10%に下がり、携帯電話が地球上のほぼすべての人をつないでいる。私たちは互いの居間をのぞいて、互いの生活を目にすることができる。人権——そして人間以外のものの権利——は拡大しつつある。非常に多くの面で、世界はより良くなっているのだ。 とはいえ、この世界を形づくっているのと同じ力——テクノロジーと株主資本主義——は、私たちを破壊する力を潜在的にはらんでいる。私たちは分断され、不平等になり、危機に陥って

    『コーポレート・エクスプローラー』第1章全文公開

    業界を一変する「破壊的イノベーション」は成熟した企業には適さない、と普通は思われている。完成した事業モデルのもとで利益を上げて成長してきた企業には、慣習に反する驚異的な事業など不可能というわけだ。 目先の利益が最優先だから、どうなるかわからない新規事業を推進するリスクには及び腰になるし、よさそうな案に資金を投じてみた場合も、事業化して採算がとれるまで我慢できないのがほとんどだ。 こうして成熟企業は、「創造的破壊(ディスラプション)」の餌食になる。創造的破壊とは、クレイトン

    「あなたは神秘の出現に対する障害を取り除いている!」━━『共に変容するファシリテーション』本文一部公開

    変容型ファシリテーションは、変容をもたらすために人々が協働することを支援する今までにない力強いアプローチである。私は何十年もファシリテーターをしてきたが、このアプローチの独自性や重要さの核心が何かに気づいたのは、2017年11月のコロンビアでのワークショップのときだった。本書はそのワークショップで着想を得たものである。 ブレイクスルーとなるワークショップ 陽の降り注ぐ田舎の小さなホテルのレストランで、元ゲリラ軍指揮官と裕福な実業家の女性が互いに名前を呼び合って挨拶をしてい

    伝説のファシリテーターが体験から導き出した理論とは(小田理一郎:チェンジ・エージェント代表取締役)━━『共に変容するファシリテーション』訳者による序文全文公開

    本書が、こうして日本で出版されることはとてもタイムリーだと考えます。日本は、今転換期のまっただ中にあるからです。 デジタル・トランスフォーメーションや人材の多様化などによる働き方や組織の在り方の見直しや、気候変動や人口減少などの環境、社会、経済の問題によって社会システムそのもののトランスフォーメーションが求められる時代、従来の経済的発展を支えてきたマネジメントの三種の神器「計画、組織化、コントロール」はその有用性を弱め、より探索と学習に満ちた新たなパラダイムが求められていま

    小さなラジオ局、火山の村を変える──『雑草ラジオ』一部公開

    はじめに2014年、世界銀行主催のハッカソン〈レース・フォー・レジリエンス〉が開催され、先端ITによる防災・減災のアイデアが競われました。 そのなかで、昔からの枯れた技術と最新技術を組み合わせて、受賞したITがあります。「持ち運べる災害ラジオ局」というアイデアです。 スマホアプリと小型のFM送信機・アンテナを組み合わせることによって、ラジオ放送に必要なすべてを鞄サイズに収めてしまおう。そうすれば、どんな被災地にも機材を持ち込んで、支援情報をすぐさま届けることができるじゃな

    「一人ひとりが対立を解決する力を持っている。」――『対立の炎にとどまる』訳者まえがき全文公開

    訳者まえがき 本書の原題であるSitting in the fireとは、「炎の中に座す」という意味です。 私たちが暮らす現代社会では、日常的な行き違いから国家どうしの争いにいたるまで、さまざまな問題や対立が生じています。大小かかわらず対立が生じると、その炎を消したくなるのが人間の本能的な反応です。 しかし、著者アーノルド・ミンデルはこの対立の炎こそ、問題を解決するために生じているエネルギーだと考えました。ミンデルが注目したのは、そのエネルギーとどう向き合い、扱うかという

    『現代の奴隷──身近にひそむ人身取引ビジネスの真実と私たちにできること』訳者による解説的あとがき(山岡万里子)

    「現代奴隷」とは何か「奴隷」という言葉を聞いて、どんな光景を思い描くだろうか。 ぼろをまとい汗と泥にまみれた人々。手かせ足かせ、そして鎖。古代文明における戦争捕虜、ローマのガレー船、あるいはアメリカ大陸に奴隷船で運ばれ、家畜のように働かされた黒人奴隷たち──いずれにせよ、心おどる想像ではないだろう。 歴史の教科書では、たしか南北戦争の頃にリンカーン大統領が奴隷解放宣言を行って、人間はみな平等になったはず──ところが今、世界のニュースで「現代奴隷」という言葉を聞かない日はな

    「この国で、生きていても死んでいても居場所がないのは、同性愛者だけ」──『純粋な人間たち』第一章前編公開

    「あの動画観た? 一昨日から出回ってるやつ」 僕は快楽の余韻に身を任せて眠りこんでしまおうとしていた。そうはいかなかった。この地上ではいつだって慈悲に満ちた声が最大の災厄をもたらしてくれる。そうして素面に戻されてしまう。 声は執拗に、「携帯持ってる人ならみんな観てるんじゃないかってくらい。テレビでもどこかの局が流したんだって。すぐ中断されたらしいけど……」 仕方ない。観念して僕は寝室に、汗ばんだ腋窩と煙草の香りが漂い、それにもまして、他のすべての匂いを圧倒するように、性器

    「学習する組織×セルフマネジメント」第1期振り返り(福谷彰鴻さん、稲墻聡一郎さん)

    Q1 初のコラボ、どうだった? 稲墻さん:「学習する組織」と「セルフマネジメント」を同時に学べる場はこれまでありませんでした。もう1人のファシリテーターの福谷さんは、同じEIJI PRESS Baseのメンバーでもありよく知っている方ですが、こうしてプログラムをご一緒するのは初めてです。 そのため、プロトタイプセッションを3回実施するなど、「第1期」が始まるまで実に1年以上準備してきました。振り返るとなかなか長い道のりでしたが(笑)、この準備期間によって学習する組織やシステ

    『現代の奴隷──身近にひそむ人身取引ビジネスの真実と私たちにできること』一部公開: 序文──なぜ?

    マンハッタンにあるレストラン《ボンド45》で、ロイターの同僚でもある友人セイダと夕食をともにしていたときのこと。パリが憧れだと言う相手に向かって、私は、母方が先祖代々パリ在住で、自分は生粋のパリっ子なのだと話していた。「ラッキーね」と友人は言った。「私なんて、自分の家族がどこの出身かまったく知らない。奴隷の家系だから。アメリカに来る前、先祖がどこに住んでいたのかわからないのよ」 それは私にとって、奴隷制を現実として認識した初めての出来事だった。12年も前の話だが、今でも当時