英治出版オンライン
記事一覧
孤独のパラドックス──『孤独の本質 つながりの力』一部公開④
孤独が健康にこれほどの悪影響を及ぼすのだとしたら、社会的な孤立の兆しを察知した瞬間に、あらゆる手を尽くして人とつながろうとするのが理にかなった行動のように思える。そして多くの場合、まさにそうした行動がとられている。
生物学上のプロセスが設計どおりに機能しているとすれば、孤独の兆しを察知して不安を感じたとき、「味方」を見つけようという動機が生まれる。母に会うため実家に帰ったり。配偶者にハグをしたり
生死に関わる問題──『孤独の本質 つながりの力』一部公開③
ジュリアン・ホルト・ランスタッド博士は、ミネソタ州セントポールで生まれ育つなかで社会的なつながりが持つ力を学んだ。子供6人のうち4番目に生まれた彼女の家は、勤勉と絆の強さを誇りにしていた。父の4人の兄弟姉妹もそれぞれ大家族を作っていたため、いとこ、おば、おじがたくさんいて、毎年1週間を全員で過ごすのが習慣となっていた。この習慣は、家族の大切さを強く信じている彼女の祖父母が推奨したものだった。
「
孤独にまつわる調査──『孤独の本質 つながりの力』一部公開②
ヘンリー・J・カイザー・ファミリー財団が出した2018年の報告書によれば、アメリカの全成人のうち22パーセントが、ときおり、あるいは常に孤独や社会的な孤立を感じているという[1]。数にすると5500万人以上ということになる──成人喫煙者数よりもはるかに多く、糖尿病患者数の倍に近い。
しっかりと検証された「UCLA孤独感尺度」を用いたAARP(全米退職者協会)の2018年の調査によると、アメリカの
誰かの真似ではなく、夫婦でオリジナルな関係性を築きたい──(『デュアルキャリア・カップル』担当編集インタビュー)
安村:英治出版を一時退職し、夫の海外駐在に帯同するかたちで、今年の年始からベトナムで暮らしはじめました。職業欄に書くステータスは専業主婦です。大学を卒業してから、キャリアが途切れたことがほぼなかったので、入国審査の紙にはじめて書くときは、なんだか戸惑いました。
私の住むホーチミンは日本人駐在員がとても多い街で、私たちと同じ30代の夫婦にもよく会います。
他にも起業していたり、飲食店を経営していた
依存症、暴力、うつ──多くの問題をつなぐ黒い糸:『孤独の本質 つながりの力』はじめに公開
2014年12月15日、第19代アメリカ公衆衛生局長官としての任期が始まった。
「国家の医者」として私が中心的に取り組んでいくことになるのは、肥満、喫煙関連疾患、メンタルヘルス、ワクチンで予防可能な疾患といった問題になるだろうと考えていた。10ヶ月ほど前に開かれた上院での公聴会でもそのように答えたうえ、それらが注力すべき重要な問題であることを示すデータも豊富にあった。
しかし公衆衛生局長官とい
「個人の頑張り」や「運」で終わらせない。女性が〈普通に〉リーダーシップを発揮する組織になるために:篠田真貴子(エール株式会社取締役)
20年先を行くアメリカに、「日本も」と希望を持った──『ガラスの天井を破る戦略人事』を読んで、どんな感想を持たれましたか。
アメリカの話であっても、共感できる部分がたくさんあるものだと感じました。ジェンダーバランスという意味では、アメリカは日本のかなり先を行っています。それでも、「これ、日本で私も経験あります」とか「見たことあります」というエピソードのオンパレードでした。
後半は、「これは女