「灯台」のような書店で
本屋lighthouseは、京成幕張駅から徒歩6分ほどのところにあります。そのはじまりは、店主の関口竜平さんが畑の中にご自身で建てたプレハブ小屋だったという異色の書店です。
そんな光となりうる本をあつかい、「読み手と書き手をつなぐ灯台のような存在に」という小屋時代から変わらないテーマを掲げ続け、こだわりを持って選書をされています(想いの詳細はこちら)。
そんな関口さんが、「孤独を絆的なものではなく健康課題として捉えているのが好感」と発売前から本書に注目してくださり、お店のニュースレターで取り上げてくださったことがご縁のはじまり。もともと毎月テーマを決めて催されていた読書会に、今回はコラボ企画というかたちでご一緒させていただきました。
読書会の構成はシンプル。
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30分間、黙々と読む
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「ポジティブなつながりとは何か?」をテーマに対話
読書会常連の参加者とともに、終始リラックスモードでさまざまな感想が出てきました。
そのなかでもいちばん盛り上がったのが、「雑な関係性の価値」についてでした。
「雑な関係性」にも価値がある
30分間の読書タイムのあと、参加者からはこれまでご自身が経験してきた人間関係を踏まえたお話が出てきました。
そんな声が挙がる一方で、こんなエピソードも。
このエピソードを皮切りに、「雑な関係性」というキーワードを軸にさまざまな意見が出ました。
店主・関口さんも、お客さんとのあいだにポジティブなつながりを感じる瞬間には濃淡のようなものがあると言います。
文化の第3の器──「他者とのつながり」と「個人の自由」とは両立できるか
濃いつながりと薄いつながり、どちらからもポジティブなものを感じることがある──関口さんのお話から、本書の「第3章 つながりの文化──文化の第3の器」に書かれている内容が思い起こされました。少し長くなりますが、書籍から引用してご紹介します。
参加者からも、
という声が挙がりました。
ときに他者との深い絆を感じられる場へ、ときに気楽な距離感を保てる「雑な関係性」のコミュニティへ──そんな「他者とのつながり」と「個人の自由」が両立する文化をどう築いていけるか。
本書では、こうした第3の器を目指す取り組みとして、「親切」を政策に掲げた都市アナハイムや、沖縄の伝統的な社会システムである「模合」の事例も紹介されています。
「孤独/つながり」と本屋──店主・関口さんより
会の最後は、関口さんからのメッセージで締めくくられました。
イベントが終わってからも、常連参加者のお二人はその場に残り、次の読書会の打ち合わせをしていました。お客さんと書店の距離がとても近く、お二人にとって大切な居場所のひとつになっていることが伝わってくる印象的な光景でした。
▼フラヌール書店での読書会レポートはこちら