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仕事のつながり、心のつながり(村瀬俊朗:早稲田大学准教授)
五月のある夜、ネット論客たちの議論を聞きながら食器を洗っていると、気になる発言が耳に飛び込んできた。
「リモートワークが進むと、仕事の達成度の見える化が顕著になる。今までの社内の無駄話や面倒な人間関係が少なくなり、作業に集中でき、仕事が捗る」
「リモートを活用して効率性を上げられる奴だけが生き残る」
──なぜか彼らの発言が頭から離れなかった。
私は10年以上前からリモートで仕事をしている。
コア・エッジ理論で、アイデアに「正当性」を与える(村瀬俊朗:早稲田大学准教授)
巨大製薬会社ファイザーに勤めるジョージ・コヘンは、ある日こんな妄想を抱いた。
「社内の優秀な人材が、重要な業務により多くの時間を費やすことはできないだろうか?」
そしてコヘンは2005年、米国の内外に簡単な作業を発注できる社内向けサービス「pfizerWorks」を開発する[1]。コヘンの同僚に試作品を試してもらうと、その多くが気に入り継続を希望した。
しかしpfizerWorksはサイドプ
トランザクティブ・メモリー・システムとは何か(村瀬俊朗)
「チームの業績はABCで決まる」
そうチーム研究者の間では言われている。AはAffect(感情)、BはBehavior(行動)、CはCognition(認知)だ。
そしてチーム研究では、行動や感情以上に、認知が重要だとされている。認知の重要性を顕著に示したのが、ノースウェスタン大学のレズリー ・ディチャーチ教授とノースカロライナ大学ウィルミントン校のジェシカ・メスマーマグナス教授による研究だ[
新結合は「思いやり」から生まれる(村瀬俊朗)
「イノベーションは情報や知識の新結合から生まれる」。経済学者のヨーゼフ・シュンペーターが提唱して以来、時代が移り変わってもこの説は有力である。
これまで知られていた情報や知識が、これまでにない方法で組み合わさることにより新しいものが生まれる。――頭では分かる。だが実現は難しい。
私もイノベーティブな発見を生み出すべく日夜励んでいるが、現実として「これが私のイノベーションです」と言える研究成果は
「コネ」の科学(村瀬俊朗)
業績を上げるためにチームのマネジャーとして何を大切にしていますか?
そう聞かれたら、あなたは何と答えるだろうか。
チームの創造性研究の第一人者として知られるハーバード・ビジネススクール教授のテレサ・アマビールは共著書『マネジャーの最も大切な仕事』の中でこう断言している[1]。
「創造性や生産性を高めるためにマネジャーにとっても最も大切な仕事は、メンバーの仕事が進捗するよう支援することである」
「新しいアイデア」はなぜ拒絶されるのか?(村瀬俊朗)
異質なものの組み合わせから新しい発想は生まれる。だが私たちには、未知の情報や知識を反射的に拒否してしまう、ある心理的作用があるという。その正体とは? どうすれば乗り越えられるのか? 早稲田大学准教授でチームワーク研究者の村瀬俊朗さんが解説する。
連載 チームで新しい発想は生まれるか(村瀬俊朗)
外部のアイデアを拒絶する「NIH症候群」2007年、ツイッター社勤務のクリス・メシーナは、チャットルー