「絵が苦手な」読者モニター、3人が決定。グラフィック・ワークショップ、いよいよ開催へ。 ーー”言葉にできない”自分の本音に気づこう①

どうすればもっとクリエイティブなアイデアを思いつけるのか。
昔からどうしても苦手意識が抜けないことがある。
自分の将来って、これからどうなるんだろう。
……こんなモヤモヤありませんか? 

「グラフィック(絵)」を使えば、モヤモヤを紐解いていくことができるかもしれません。

そう語るのは、企業や行政の会議、NHKの番組『週刊ニュース深読み』や『クローズアップ現代+』などで、グラフィック・ファシリテーションをする山田夏子さん。

本連載「“言葉にできない”自分の本音に気づこう」は、このグラフィックの効能を伝えるべくスタートしました。山田さんが語るのではなく、グラフィックを体験する読者モニターの変化を追うかたちで進む連載です。

第1回の今回はメイキング編ということで、編集・安村が、この形式をとるにいたった経緯と、この連載の命運を決めるモニター選考のウラ側をお届けします。

きれいに、わかりやすくするためのグラフィックじゃないんです

話したり文章を書いたりするだけではなく、グラフィックを使うことで、「言葉にできない」本音が見えてくる。そして、その本音と向き合うことができたときに、モヤモヤが消えていく。

私も、山田さんの講座を見学して、受講者の方々が「言葉にできない」感覚に向き合えるようになった瞬間を目の当たりにしました。

しかし、グラフィックというと、楽しくて、きれいに、わかりやすく見せるものと思う人が多いようです。
「言葉にできない」本音がそもそもどんなものなのか、ぴんとこないという声もありました。

山田さんも「体験していない人に伝えようとすると、どうにも難しいんです」と。どうすれば、この体験を伝えることができるか。

「言葉にできない」感覚を、言葉で伝える……どうやって!?

「グラフィックでモヤモヤが消えていくときって、その人の感覚の毛穴が全開になったかんじなんですよ!」

「ビジネスの場だからって、気持ちとか感覚をださないようにして生活していると、だんだん感性のボリュームが下がっていっちゃうと思うんです。グラフィックは、そのボリュームの上げ方を思い出すきっかけになるんですよ」
 
ノートにイラストを描きながら、独特の表現で、グラフィックの効用を、山田さんは語ります。

「その毛穴が開いているかんじ、感性のボリュームが上がるかんじ、連載で伝えることができるといいですよね!」

そんな話で盛り上がり、いきついたのが、「モニターを募集する」という方法でした。

3人のモニターを募って、彼らに半年間ワークショップに参加してもらい、グラフィックを使って、「言葉にできない」自分の本音に気づく方法を伝授。読者にはその3人の変化から、「言葉にできない」感覚が開いていくのを感じ取ってもらい、その過程を連載にしていこうというわけです。

「絵の苦手な人」、88人集まりました

2018年10月、応募を開始しました。題して、「絵が苦手な人、応募してください」。募集を公開して2週間、私たちの想像をはるかに上回る88人の方からご応募をいただきました!しかも、みなさん熱い「応募の動機」を書いてくださっています。「我こそは絵が苦手です」という方も多数。

どの方にモニターをお願いするか、山田さんと話し合いました。選考基準は、さまざまな読者の方が自分を重ねやすいように、三者三様であること。

「具体的にお悩みを書いている人のほうが、変化を追いやすいですかね?」
「うーん、でも、これが悩みという明確なものはないけど、漠然とモヤモヤしている人がはいっていたほうがいいかも」
「この方会ってみたいですけど、2人目の人と似てしまいますね……」

3人の組み合わせを何組もつくって、動機の文章から書いた人を想像しながら、話すこと2時間。考えに考えたすえに選んだのが、こちらの3人です。


1人目「シンケル」さん
会社の先輩から紹介していただきました。仕事のこと、家庭のこと、モヤモヤしていることがたくさんあり悩んでいるときだったので、企画の説明に書かれている文章がぴったり自分に当てはまると思い、応募します。

山田さん 「先輩の紹介で」っていう素朴で正直なかんじがいいですよね(笑)。文章が短くて、どんな人かはよくわからないけど、この短さに「言葉にできない」モヤモヤ感がつまっている気もします。どんな人か見えにくいだけにちょっと賭けだけど、会ってみたいですね。 

 

2人目「ハルちゃん」さん
絵を描くのがとても苦手です。

現在育児休職中で、復職後は今よりもさらに効率の良い働き方をしたいと考えています。

自分のやりたいことや伝えたいことを相手にわかりやすく伝えるために、今までは言葉のみを使ってコミュニケーションをしてきました。

ですが、ひとつの手段として絵を描いてみることができたら、より、コミュニケーションが取りやすくなり、今までよりも効率の良い働き方につながるのではないかと考えました。

また、パートナーとのコミュニケーションにおいても、わかってくれるはず、とか、察して欲しい、などの気持ちも邪魔してうまく伝えられないことが多いため、ここにも活かせたら素敵だなあと思います。

ご縁がありましたら、是非よろしくお願いいたします。

山田さん 子育てやパートナーとの関係という視点で、参加してくれる人がいるといいですよね。そして、とても理路整然と「言葉で伝える」ことができる人みたいだから、このワークショップでどんな反応をするのか、見てみたいなぁ。


3人目「カトちゃん」さん
メーカーで新規事業開発を担当しており、アイデア出しなどのスキルアップをしたいとともに、これまでのキャリアを棚卸しして将来の方向性を見極めたいと考えています。
ご提案のアプローチは未体験ゾーンであり、純粋に面白そうだ思いました。
ちなみに絵は超ヘタです。よろしくお願いします。

山田さん ビジネスでしっかりと使おうとしている人もいるといいですよね。最後の「ちなみに絵は超ヘタです」というかんじもなんだかいい(笑)。この直球さが、いいコメントをしてくれそう。


こんな視点で選ばれた3人。実際はどんな方なのか―? これから半年にわたって毎月実施されるワークショップの様子は、こちらの連載でお伝えします。初回のワークショップは11月上旬に開催されました。その様子は明日の記事で、ご紹介します!


連載のご案内

連載「”言葉にできない”自分の本音に気づこう」
話したり文章を書いたりするだけではなく、「グラフィック(絵)」を使うことで、「言葉にできない」本音が見えてくる。そして、その本音と向き合うことができたときに、モヤモヤが消えていく――。そう語るのは、企業や行政の会議、NHKの番組『週刊ニュース深読み』や『クローズアップ現代+』などで、グラフィック・ファシリテーションをする山田夏子さん。本連載では、彼女のワークショップに参加する読者モニター3人の変化を追うことで、グラフィックの力に迫ります!

第1回 :「絵が苦手な」読者モニター、3人が決定。グラフィック・ワークショップ、いよいよ開催へ。
第2回:グラフィックのワークショップなのに、絵を描かない?
第3回:読者モニターの語りを、山田夏子さんがグラフィックで描くとどうなるか?
第4回:グラフィック・ワークショップの宿題なのに、またもや描かない??
第5回:グラフィックの講座なのに、ひたすら線を描く。会場は擬音のオンパレード!
第6回:「絵が苦手」だったはずが、いつのまにか抽象画を描いていた!?
第7回:物語をつくると、「言葉にできない本音」が見えてくる!?
第8回:他人だったモニターは、なぜ「家族のような」関係になったのか
山田夏子(やまだ・なつこ)
株式会社しごと総合研究所代表取締役、一般社団法人グラフィックファシリテーション協会代表理事、システムコーチ/クリエイティブ・ファシリテーター。
株式会社バンタンでアーティスト、デザイナーをめざす学生指導や講師マネジメント、バンタンデザイン研究所ヘア&メイクスクール館長、人事部教育責任者を経て、2008年株式会社しごと総合研究所設立。
「クリエイティブ」を仕事や教育、生活などの中で、豊かな営みとして活用できるよう、グラフィック・ファシリテーションの講座、ワークショップや研修を提供している。NHK総合「週刊ニュース深読み」「クローズアップ現代+」などのTV番組で、グラフィック・ファシリテーションをすることも。
ありがとうございます!あなたの望む未来への前進に役立ちますように。
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英治出版オンライン

英治出版オンラインとは、連載コンテンツや著者イベントを通じて、共感と学びの場をともにつくるプロジェクトです。よりよい未来をつくる活動が前進するアイデアやストーリーを定期配信。連載著者イベントも開催しています。 運営:英治出版 http://www.eijipress.co.jp/

山田夏子「“言葉にできない”自分の本音に気づこう」

話したり文章を書いたりするだけではなく、「グラフィック(絵)」を使うことで、「言葉にできない」本音が見えてくる。そして、その本音と向き合うことができたときに、モヤモヤが消えていく――。そう語るのは、企業や行政の会議、NHKの番組『週刊ニュース深読み』や『クローズアップ現代+...
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