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連載「『insight』私はこう読んだ。」を始めます。

読者の皆さん、こんにちは。英治出版プロデューサーの平野です。
新刊『insight(インサイト)──いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』(2019年6月26日発売)の刊行に合わせて、英治出版オンラインでの連載を開始いたします。

本書のテーマはサブタイトルにもある通り、「自己認識(自分を知ること)」。
皆さんは「自己認識」と聞いて、どのようなイメージをもたれるでしょうか。
例えば、「自分探し」のような言葉。今の自分の現状に満足できず、「青い鳥」を探すがごとく、どこかにある理想的な自分を追い求める。この言葉には少し否定的なニュアンスもあり、「自分を知る」というと胡散臭いなと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私自身、自己認識や自分を知るという表現を聞いてまっさきに思い出すのは、就活の「自己分析」でした。いま振り返ると、この自己分析の大切さも分かるのですが、学生時代は自分をアピールするための自己分析にネガティブな感情を持っていました。

このように否定的に捉えられることもあるテーマですが、一方で、「自分のことをよりよく知りたい」というのは多くの人が抱く共通の想いなのではないかとも思います。さらに、現代という時代を考えても自分を知ることの重要性は高まっているのではないでしょうか。もの凄いスピードでテクノロジーが社会を変えています。また、well-beingなど、所得などの経済的価値だけにとどまらない幸福を追求する動きも高まっています。そうした変化に右往左往せず、自分は何に喜びを感じるのか? 自分はどのような環境において最も力が発揮できるのか? など、深く自分を知ることは今後とても大切になっていくのではないでしょうか。

そのような状況で大切になってくるのは、本質的な意味で「自分を知るとはどういうことか」を考えることだと思います。少し立ち止まって考えてみると、そもそも「自分を知っている」がどういう状態なのかは自明ではありません。さらに、何をもって「自分を知っている」と言えるかが明確になったとしても、「よりよく自分を知るにはどうすればよいのか?」という大きな問いが残ります。

そこで本書の登場です。著者のターシャ・ユーリックはこのような問いに対して明確な答えを提示しています。

彼女のバックグラウンドは組織心理学という学問。本書の中でも、心理学や行動経済学など、縦横無尽に研究を参照しながら、「自分を知るとはどういうことか」を明らかしていきます。ポイントは、自己認識は、自分自身が自分を認識する「内的自己認識」と、他者が自分を認識する「外的自己認識」という二つの要素から成り立つという点です(詳しくは本書、または次回・次々回公開の「第1章」をお読みください)。

さらに重要なこととして、人間の認知の特性上、人は自分自身に対する思い込みにとらわれがちであるという点が強調されます。では、どのようにすればその思い込みから逃れることができるのか。その点についても、多くの研究を参照しながら解決策を提示してくれています。一例を挙げると、「なぜ(why)を問うのではなく、何(what)を問え」など、すぐにでも実践できるようなアドバイスが紹介されます。

このように書くと、アカデミックな小難しい内容に感じられるかもしれません。しかし、著者はアカデミックなバックグラウンドを持ちながらも、コーチングなどを通して実際のビジネスの世界でも活躍しており、様々な興味深いエピソードを交えつつ議論を展開しています。例えば、アメリカ初代大統領ワシントン、フォード再建に手腕を発揮したアラン・ムラーリー、ピクサー共同創業者エド・キャットムル。著名人だけではなく、著者がコーチングをした自己認識の低いCEOや、著者自身の自己認識を高めた友人からの一言なども紹介されます。学問的知見により自己認識の構造を理論的に理解しつつ、「そういうことってあるある!」や「耳が痛い……」などのリアリティをもって、「自分ごと」として読めるような工夫が随所になされています。

ここまで、なぜこの本を出版したのか、この本の特徴をお伝えしてきましたが、最後に、連載の意図を簡単にお伝えします。

本書の中で著者は、自己認識を高めるプロセスを「生涯をかけての旅」になぞらえています。唯一の正解をもとめるのではなく、常に探究し続けるべきものとしての自己認識。この本を一つのきっかけに、「自己認識の旅」を歩もうとされる読者の皆さんに、少しでも役立つメッセージをお届けしたく、この連載を企画しました。各界で活躍されている方が、自己認識にどのような意味を見いだしてこられたか、そして自己認識を高めるために何を意識されているのか、など、本書をベースにしつつ語っていただく予定です。

各界でご活躍の方々によるリレー寄稿をお届けする前に、『insight』の第1章を2回に分けて公開します。自己認識の全体像を説明した本章をぜひご一読のうえ、リレー寄稿を楽しんでいただけたらと思います!


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仕事での成果や良好な人間関係、そのカギは「自己認識」にある。しかし、多くの人は思い込みにとらわれ、自分の可能性を狭めてしまっている。ビジネス界でも活躍する組織心理学者が膨大な先行研究と自身の研究・実践から、自己認識の構造を理論的に解明し、思い込みを乗り越え、より深く自分を知るための方法を伝える。

◆各界のプロフェッショナルも大絶賛!!
「自己認識、内省、および自分と向き合う方法に対する世間の考えは、
基本的に間違っていて役に立たない。そうした情報を信じて、私生活でも仕事でも好ましくない行動を続けてしまう人が多い。自身の経験と膨大なリサーチをもとに、ユーリックは真のインサイトにいたる方法、つまり自分自身を変え、仕事で関わる周りとの関係を変革する方法を明らかにする」
──エド・キャットムル(ピクサー・アニメーション・スタジオ共同創設者、『ピクサー流 創造するちから』著者)

「単なる一過性のスキル・ノウハウ本ではない。根底から自己認識の大切さを紐解き、誰もが一生をかけて、本気で向き合っていかなければならい自己を知るためのガイドラインとなっている」
──中竹竜二(本書監訳者、株式会社チームボックス代表取締役、日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター)
【目次】
第1章 二一世紀のメタスキル
<第1部 基礎と障壁>
第2章 自己認識の解剖学―インサイトを支える七つの柱
第3章 ブラインドスポット―インサイトを妨げる目に見えない心のなかの障壁
第4章 自分教というカルト―インサイトを阻む恐ろしい社会的障壁
<第2部 内的自己認識―迷信と真実>
第5章 「考える」=「知る」ではない―内省をめぐる四つの間違った考え
第6章 本当に活用可能な内的自己認識ツール
<第3部 外的自己認識―迷信と真実>
第7章 めったに耳にしない真実―鏡からプリズムへ
第8章 予想外の厳しいフィードバックを受け止め、向き合い、行動に移す
<第4部 より広い視点>
第9章 リーダーがチームと組織の自己認識を高める方法
第10章 思い込みにとらわれた世界で生き抜き成長する
監訳者あとがき(中竹竜二)


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連載:『insight』私はこう読んだ。
「自己認識」をテーマとした書籍『insight』。本書をベースとして、各界で活躍する方々に、「自己認識にどのような意味を見いだしてきたか」など、様々な観点から語っていただきます。

─ 連載記事一覧 ─
第0回:連載「『insight』私はこう読んだ。」を始めます。

第1回:『insight』の第1章(前半)を全文公開します。
第2回:『insight』の第1章(後半)を全文公開します。
第3回:人生で3冊目の「自己啓発本」(太田直樹)
第4回:キャリアとは自己認識についての仮説構築と検証のプロセスである(篠田真貴子)
第5回:リーダーの自己認識が変われば、チームは変わる(小竹貴子)
第6回:自己認識から考える、個と組織の「4つの発達段階」(タムラカイ)
第7回:僕が変わらなければ組織は変わらない(株式会社コルク代表 佐渡島庸平さんインタビュー)

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