村瀬俊朗 連載「チームで新しい発想は生まれるか」

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仕事のつながり、心のつながり(村瀬俊朗:早稲田大学准教授)

五月のある夜、ネット論客たちの議論を聞きながら食器を洗っていると、気になる発言が耳に飛び込んできた。

「リモートワークが進むと、仕事の達成度の見える化が顕著になる。今までの社内の無駄話や面倒な人間関係が少なくなり、作業に集中でき、仕事が捗る」

「リモートを活用して効率性を上げられる奴だけが生き残る」

──なぜか彼らの発言が頭から離れなかった。

私は10年以上前からリモートで仕事をしている。

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コア・エッジ理論で、アイデアに「正当性」を与える(村瀬俊朗:早稲田大学准教授)

巨大製薬会社ファイザーに勤めるジョージ・コヘンは、ある日こんな妄想を抱いた。

「社内の優秀な人材が、重要な業務により多くの時間を費やすことはできないだろうか?」

そしてコヘンは2005年、米国の内外に簡単な作業を発注できる社内向けサービス「pfizerWorks」を開発する[1]。コヘンの同僚に試作品を試してもらうと、その多くが気に入り継続を希望した。

しかしpfizerWorksはサイドプ

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あなたのイノベーションの支援者は誰か(村瀬俊朗)

HondaJetが昨今メディアに取り上げられている。エンジンを胴体後部に取り付けずに、主翼上に設置して室内の広さと静けさを確保した画期的な小型ジェット機である。

しかし、このHondaJetは組織の手厚い支援のもとに開発されたわけではない。Hondaの主力製品に資源が集中するために開発資金や人的・物理的機会には恵まれず、社内からは「車会社が飛行機の開発をなぜ行うのか」などの非難があったという[1

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研究、研究、ときどき本(村瀬俊朗)

※7月某日、オンラインチャットでの一幕。
村瀬:先日お伝えした右手の腱鞘炎の手術ですが、しばらくギブス生活なので、次の記事を書けるのは9月以降になりそうです。ごめんなさい。
山下(連載担当):ゆっくり静養してください。と言いたいところですが、間が空いてしまうので、インタビュー記事を入れてもいいですか?
村瀬:もちろんです。なにを話しましょうか。
山下:村瀬さんが熱く語れる本を三冊、用意していただけ

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問題。全米に散らばる10の風船を見つけよ。賞金4万ドル(村瀬俊朗)

なぜあのスポーツチームは華麗な連携ができるのだろう。なぜあのグループは困難な状況でもあきらめずにやり抜けるのだろう。様々な組織の現象に「なぜ」の疑問を打ち立て、理論とデータを用いて答えを導き論文にする。

これを生業としている私にとって発想は生命線である。研究の最中、そしてこの記事を書いている今も、良い発想にたどり着くための悩みは尽きない。

これまでの連載は、どうすればチームで良い発想を生み出せ

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「新しいアイデア」はなぜ拒絶されるのか?(村瀬俊朗)

異質なものの組み合わせから新しい発想は生まれる。だが私たちには、未知の情報や知識を反射的に拒否してしまう、ある心理的作用があるという。その正体とは? どうすれば乗り越えられるのか? 早稲田大学准教授でチームワーク研究者の村瀬俊朗さんが解説する。
連載 チームで新しい発想は生まれるか(村瀬俊朗)

外部のアイデアを拒絶する「NIH症候群」

2007年、ツイッター社勤務のクリス・メシーナは、チャット

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チームの溝を越える「2つの信頼」とは?(村瀬俊朗)

異なる知識をもつ多様なメンバーが集まると、これまでなかった意見やアイデアが出る。しかし、仕事の仕方や価値観の違いは軋轢や不信感を生んでしまう。どうすれば効果的なチームワークを発揮できるか? 日米で10年以上にわたってチームのメカニズムを研究してきた、早稲田大学准教授の村瀬俊朗さんが解説する。
連載:チームで新しい発想は生まれるか

新しい発想が生まれるには、異なる知識との連携が必要である。しかし、

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失敗から学ぶチームはいかにつくられるか(村瀬俊朗)

村瀬俊朗(むらせ・としお)
早稲田大学商学部准教授。1997年、高校卒業後に渡米。2011年、University of Central Floridaで博士号取得(産業組織心理学)。Northwestern UniversityおよびGeorgia Institute of Technologyで博士研究員(ポスドク)をつとめた後、シカゴのRoosevelt Universityで教鞭を執る。2

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なぜピクサーは「チームで創造性」を生みだせるのか?(村瀬俊朗)

アメリカと日本で10年以上にわたってチームワークを研究してきた、早稲田大学准教授・村瀬俊朗さんの連載「チームで新しい発想は生まれるか」。第2回は、創造性を阻害する「思考の枠組み」とそれを打破する方法に迫る。

新しい組み合わせを阻害するもの

前回は、異なる情報の組み合わせから創造性は生まれること、そして異なる情報は個人より集団のほうが多く集まることから、チームは個人の創造性を超えると主張した。

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「一人の天才よりチームの方が創造性は高い」と、わたしが信じる理由(村瀬俊朗)

ここに、多様な経験や知識を持ったメンバーがいる。だれもが、人々を熱狂させる商品・サービスを生むために懸命に取り組んでいる。しかし、出てくるのは凡庸なアイデアばかり。メンバー一人ひとりの専門性や見識が活かされない。――やはり、創造性とは「孤高の天才」に宿るのか。チームで新しい発想を生みだすことはできないのか? 10年以上にわたりチームワークのメカニズムを研究してきた気鋭の経営学者が「チームの創造性」

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