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衝撃のラストのあと、なにを思いましたか? 『隠された悲鳴』に届いた声をまとめました

隠された悲鳴

ボツワナの現職女性大臣によるサスペンス『隠された悲鳴』。発売から2ヶ月経ち、反響が続々と届いています。衝撃のラストに、気持ちをどう整理すればいいのか……という感想も多い本書。その一部をご紹介します。

■メディア掲載

朝日新聞(2019年9月21日付)書評/朝日新聞記者・久田貴志子さん
翻訳ミステリー大賞シンジケート(2019年9月27日)書評/大木雄一郎さん
サンデー毎日(2019年10月27日付)書評/少子化ジャーナリスト・白河桃子さん
読売新聞(2019年10月20日付)短評/詩人・川口晴美さん
クロワッサン(2019年11月10日号)書評/書評家・瀧井朝世さん
週刊新潮(2019年11月14日号)書評/翻訳家、エッセイスト・鴻巣友季子さん
婦人公論(2019年11月26日号)書評/詩人・白石公子さん
北海道新聞(2019年11月24日付)書評/法政大学准教授・粟飯原文子さん
毎日新聞(2019年11月27日付)書評/書評家・倉本さおりさん
Penが選んだ、今月の読むべき1冊(2019年12月16日)

■連載:『隠された悲鳴』から聞こえたもの

心をざわつかせる読後感の本書から、なにを感じ、考えるのか? 各界でご活躍の方に語っていただきました。

■著者インタビュー

■試し読み

ボツワナ現職女性大臣によるサスペンス小説『隠された悲鳴』 第1章(前半)
ボツワナ現職女性大臣によるサスペンス小説『隠された悲鳴』 第1章(後半)

■書店員さん・読者のみなさんから届いた声

忌まわしい因習を白日の下に晒すのが目的の小説だとしたら、物語として面白すぎる。
登場人物たちの躍動感、キャラクターとしての魅力がこんなにも溢れていなくとも、充分目的は果たせているはずだ。
それにサスペンスフルな筆運びの巧みさが、これほどまでに発揮される必要もないだろう。
この小説は、告発ではない。行動なのだ。
自分だけでなく、読者を行動に導くために著者は、持ちうる手段のなかから確信を持ち、想像力を駆使して「書く」ことを選んでいる。
フィクションがアクションになる。
――ブックスルーエ 花本武さん

ラストの独白が衝撃的でした。ほのかに垣間見えた光が踏み潰され、悪が罰を逃れるさまを目撃し、これまでに飲み込まれてきた悲鳴が何重にも聞こえるような思いがしました。
けれど、若者たちが、無力な村の人々が、不正を前に立ち上がったということ。この厳しい現実において、そのことはそれ自体が希望なのだと思います。
――梅田蔦屋書店 洋書担当コンシェルジュ 河出真美さん

「儀礼殺人」が実際に起こる場所に住んでいる主人公の心情は計り知れませんが、そんな環境下でも、大きな権力にひるむことなく立ち向かう彼女の勇姿がとても素敵でした。
そして、ラストの激白が、衝撃でした。
――丸善お茶の水店店 文芸担当 細井百合さん

権力を手に入れるために儀礼殺人が行われるいう信じがたい世界。
けれど当たり前を当たり前として通り過ぎることのできない者の心の傷や、ヒロインが突き当たる壁によって、これは日本の私たちにも通じることではないかと思いました。
――ジュンク堂書店 池袋本店 文芸担当 小海裕美さん

ボツワナの事は全く知らなかったものの、人々の心情など共感できる要素もたくさんあり、読む上で全く支障にはなりませんでした。
(ストーリー・文章自体も、小説(エンタテイメント)として とても面白かったです)
まっとうな正義感を持った主人公達がやっと一歩前進したと思ったら、 まさか最後にあんな展開が待っているだなんて…
巨悪の前に出来る事は何もないのか…と私まで打ちひしがれました。
「何が彼らを“怪物"にしたのか」という言葉が 読了してからは更に重く感じられます。
ちょっとまだ自分の気持ちが上手く整理できていませんが、 とにかく必読の一冊でした。
――紀伊國屋書店本部 文芸書担当 佐貫聡美さん

アフリカの現在と伝統社会を舞台に、人間の価値や生きる意味、繋がり、正義、悪、弱さ、強さなどの普遍的なテーマが、エンターテインメントになっていて、興味津々で読み切りました。
事件に立ち向かう主人公チームが、すべて被害者と同じ女性で、様々な意味で虐げられている人々だったのも印象的です。
――50代男性

本を手にした帰りの新幹線で夢中で読んで、帰宅後も読み続けてあっという間に読み終わりました。
「儀礼殺人」がテーマの小説、ということで、暗い話を想像していたけど、壮大なアフリカの景色と野生動物のスリルも味わいながら、「権力」「欲望」「正義」「人間の多面性」を考えさせられる内容でした。
――40代女性

読むのにあたってアフリカ知識はほとんど不要だと思います。邦訳で300頁ちょっとの作品ですが、あっとういう間に読めてしまいました。
「少女に恨みがあるわけではなかった」という不穏な書き出しから、どんどん話が展開していきます。
――30代男性

想像できない世界という遠い話と、人間の内側という近い話を、どこか生々しく、どこか淡白な、描き方をする作品であった。(因みに、僕は胃のあたりが浮く感覚を持ちながら感想を書いている)
潜在的なおぞましさのようなものを感じながら本を読むという初めての経験をさせてくれる一冊でもあった。
また、ストーリーもあらゆる人物の視点で展開されていき、関係ないような人物がいつの間にか、くっついていくような感覚は不思議なものであった。最後の一文字までに何かを感じる面白い作品であった。
――16歳男性