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『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開

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火の利用から気候変動対策まで。エネルギーと人類の歴史をわかりやすく解説し、現代に生きる私たち皆にかかわる「エネルギー問題」の本質と未来への道筋を描いた『エネルギーをめぐる旅──文…
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#地球環境

文明を支え、文明に壊されたもの──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(3)

文明を支え、文明に壊されたもの──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(3)

レバノン杉の森ある初夏の週末。レバノンの首都ベイルートを早朝に出発し、北へと向かう大きめのワゴン車に私は揺られていました。

車窓の左手には地中海が広がっています。碧く光る海にはエメラルドグリーンに輝く帯が現れては消え、眺めていて飽きることがありません。一方の右手には、石灰岩の白い岩肌にオリーブや松の木がへばりつくように群生する崖線が続きます。土地は痩せぎみで、率直に言って単調な景色だといっていい

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農耕がもたらした光と闇──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(2)

農耕がもたらした光と闇──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(2)

エレヴァン・アルメニアにてアラブ首長国連邦にある大都市ドバイ。その郊外にあるシャルジャ国際空港を夜明け前に離陸したエア・アラビアG9247便は、典型的な褶曲山脈であるザグロス山脈の連なりを道標にして、アルメニアの首都エレヴァンへ向け、イラン領空を北上していきます。2時間半ほどのフライトののちエレヴァン国際空港への着陸態勢に入った機体の窓から見えてきたのは、残雪を被った標高5137メートルの霊峰アラ

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「火」は人類に何をもたらしたのか?──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(1)

「火」は人類に何をもたらしたのか?──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(1)

バクー・アゼルバイジャンにて
カスピ海を抜ける風が涼しい初夏の6月、私はコーカサス地方を代表する大都市、バクーの街に降り立ちました。人口230万人を誇るアゼルバイジャンの首都です。

この街は、古くはシルクロードの交易拠点として栄えてきました。旧市街には、12世紀に構築された城壁に始まり、シルヴァン・シャー宮殿などの歴史的建造物が今なお残り、当時の栄華を今に伝えています。2000年には、これら一連

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