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学セってなんだ? 起業家、集団の励まし効果で早く寝る。

異分野の仲間とともに〈わたし〉と〈わたしたち〉を行ったり来たりしながらありたい姿に向けて新しく選択肢をつくる「学習する組織×セルフマネジメント(通称 学セ)」。2024年6月1日スタートの第4期参加者を募集中です。

「感情や身体感覚に気づけるようになってから、よく眠れて、メンバーとの関係性が少しずつ変わってきた」と語るのは、第3期参加者の山田隆史さん。自ら立ち上げた3つの組織で経営者、プロジェクトマネジャーとして働く山田さんは、学セでどんな気づきを得て行動が変わったのか?

本プログラムのファシリテーターの一人でセルフマネジメントの専門家、稲墻聡一郎さんとの対談記事をお届けします。
*構成:山下智也(英治出版プロデューサー)

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多忙極めてバーンアウト状態、何かを変えたい


稲墻さん:プログラムが終わってちょうど2か月ですね。お久しぶりです。

山田さん:あっという間ですね。ご無沙汰しています。

稲墻さん:ちょっとずつ学セでの学びや気づきを思い出していきましょうか。

山田さん:ああ…Day1とかDay2の頃は、心身ともにボロボロでした…。

稲墻さん:ジェット(注:山田さんの愛称)はとにかく自分でがんばる、率先して全力でやる、その反動でだんだんパフォーマンスを出せなくなる。そういう自分にちょっとイライラやフラストレーションを感じてましたよね。そこから抜け出せない、みたいな。

山田さん:自分が創業した会社や複数の組織の仕事を毎日遅くまでやって、ボロボロになって帰ってきて、疲れてるのにスマホとかいじって、体が休まらないまま夜が明けて、また仕事に行く。その結果、バーンアウト状態になってた感じです。いなさん(注:稲墻さんの愛称)が言う「ブラックゾーン」ですね。

稲墻さん:ブラックゾーンのバーンアウト状態で始まった「学セ」ですが、ジェットはこういうワークショップとか研修に参加したことってありました?

山田さん:ほとんどないですね。でも、いまの自分を変えたいとは思っていました。そんなときに、ちょうど学生時代の友人が誘ってくれたんです。

最初は自分にとって未知のことすぎて、本当にいま必要なのかはよくわかりませんでした。でもDay1があって、そのあとに参加者だけのグループセッションがあって、Day2くらいのときに「これは絶対ここでしか体験できない」と思って、忙しくてもなんとか時間をつくりました。

山田隆史(やまだ・たかふみ)
新卒でエンジニアとしてソフトウェア会社に入社しWebサービスやスマートフォンアプリの開発に従事。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)にてビッグデータ分析やHRデータ分析を研究。2015年にスターツリー株式会社を創業し、ピープルアナリティクスやHRテック支援、統計学やAIや機械学習技術を活用した分析などの事業を展開。2018に株式会社Bloomを共同創業し、大手企業向け転職/キャリア登録サービスを展開。一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会を設立。早稲田大学 総合研究機構 組織経済実証研究所 招聘研究員。
稲墻聡一郎(いながき・そういちろう)
Drucker School of Management(通称:ドラッカー・スクール) に留学。帰国後に同大学院の准教授であり、セルフマネジメント理論研究の第一人者でもあるジェレミー・ハンター博士らと共に、セルフマネジメントやトランジション理論をベースにしたマネジメントプログラムを提供する会社、Transformを設立。共著に『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』(プレジデント社)。Transform 共同創業者、長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科 客員准教授。

自分「だけ」では自分は変わらない


稲墻さん:ジェットは事前アンケートに「自分に甘く、理想と現実のギャップにもだえています」と書いていましたね。

山田さん:ほんとそうです。自分に甘い。

稲墻さん:疲れててもスマホをだらだら観ちゃう。

山田さん:早く寝ればいいのに(笑)。自分に甘いからこそ、このプログラムと相性が良かったんだと思います。10数人が1つのチームになって、行動や変化を応援し合う。

稲墻さん:その10数人は職種も肩書きもバラバラ。

山田さん:そうそう。いまの私の仕事では中学校の先生ってなかなか出会わないけど、その先生が感じていることやストーリーをじっくり聞いていると、共通点に気づいたり課題のヒントが見えてきたりする。

稲墻さん:ブレイクアウトルーム、盛り上がってましたよね。

山田さん:氷山モデルの練習をしているときに「何がそうさせているんだろう?」という、ファシリーテーターの福谷さんからの問いをグループで一緒に探っていったら、「忙しすぎて本当にやりたいことができていない」という共通の悩みみたいなものが見えてきたんですよね。

稲墻さん:学セに参加されている方はほんと、みんな忙しい。仕事が終わってすぐに学セに飛び乗る感じですよね。

山田さん:でもなんだろう、みんな忙しいけど、「せかせか話す」とか「結論を急ぐ」とかそういう感じではない。独特の緊張感とアットホームな雰囲気、真剣さとリラックスな感じが両方あって。

稲墻さん:場自体の温度とか雰囲気って、その場にいる人の言葉づかいとか振る舞いに影響を与えていますよね。

山田さん:参加者だけで集まってツールやフレームワークを練習するグループセッションのときに、家族や友人にも話せないことをなぜか話せたんですよね。

稲墻さん:すごい信頼関係。

山田さん:これって、私の話をオープンに真剣に受け止めてくれるって、私が感じているからだと思うんです。自分以外の人が、自分のことをここまで考えてくれることに、素直に感動しました。

こんなに応援してくれる人がいるなら、やってみよう、やったことをまたみんなと話そう、ってなる。たぶん私の場合、ひとりで考えて問題を棚卸ししても行動は変わらない。

学セのこの感じを、「集団の励まし効果」と勝手に名付けています(笑)。

集団の励まし効果で早く寝る


稲墻さん:ジェットが参加してくれた学セ3期が終わって2か月が経ちますが、いまのジェットの状態はどんな感じですか? 最終日のDay8では「継続」や「習慣化」について対話しました。

山田さん:継続って言えるかはわかりませんが、「おれ今レッドゾーンだな」とか、「あ、呼吸していない」とか、日常のふとしたときに自分の状態に気づけるようになった、というのはあるかもしれません。

稲墻さん:すごい。まさに継続。何か工夫が?

山田さん:実は「IRマップ」をトイレに貼っていて。

稲墻さん:うわー、それはうれしい!

山田さん:本当に望む結果ってなんだろうとか、繰り返しちゃっているパターンってなんだっけとか。IRマップに書いているのは「夜ぐっすり眠っていい調子で朝を迎えたい」とか当たり前のことなんですけどね。

稲墻さん:ジェットの本来の意図に立ちかえるチャンスが一日のうちに何回もあるってことですよね。

山田さん:そうなんです。これもさっきの「集団の励まし効果」の一つで、IRマップはグループワークとかでみんなと一緒に考えて、何度も話して作ったものだから、作ったその場限りじゃもったいない。

稲墻さん:ほんとそうですよね。使い続けてなんぼ。

山田さん:ほんとに。おかげさまで、仲間に励まされて早く寝るようになりました(笑)。

経営者として成長したい


稲墻さん:IRマップを日常に取り入れたりして、ジェットは今いい感じなのかなと思いましたが、どうですか? いまジェットが大切にしているテーマとかありますか?

山田さん:私はもともとエンジニアなので、プレーヤーとして分析したり作業するのも好きなんですが、いまはリーダー・経営者として成長したいです。

稲墻さん:ジェットがそう思うようになったのはどうして?

山田さん:これもグループワークのときに気づいたんですが、私って「自分がどう変われるか」ばっかり考えていたんですよね。

稲墻さん:それが参加の動機ですもんね。

山田さん:でもほかの参加者の方は、自分だけでなく「チームや組織がどう変われるか」という視点を持っていました。

稲墻さん:学セのサブタイトルの「〈わたし〉から始まる。〈わたしたち〉の行動が変わる。」ですね。

山田さん:以前、私の会社のエンゲージメントサーベイをしたとき、私だけ著しく低くて、ほかのみんなは高い、という結果が出たことがあって。だから「自分がどう変われるか」ばっかり考えていた。

稲墻さん:私の経験だと、リーダーがレッドゾーンにいると、周りもレッドゾーンになる。その状態が続くとチームはブラックゾーンに落ちると思います。

山田さん:あ…そういえば、メンバーとの1on1がどうしてもやる気が出なくてスキップしちゃったことがありました。そんなことを繰り返していたら、メンバーや組織全体の状態はネガティブに変わっていきますよね。

学セのおかげで、1on1でちゃんと話せるように、メンバーと向き合えるようになってきた感じがします。少しずつですが。

稲墻さん:1on1の変化とか、夜ぐっすり寝れると朝の目覚めがいいとか、たまに呼吸に意識を向けているとか。そういうジェット自身の変化を、メンバーのみなさんに話してみるといいかもしれませんね。

山田さん:たぶん、いまだに会社のみんなにとって私は「何を考えているかよくわからない人」だと思います…。

稲墻さん:ははは(笑)。でも、ジェットも会社のみんなのこと、何を考えているかしっかり理解しているわけではないかも?

山田さん:あ、確かにそうですね。じゃあ、まずは私から始めてみる。

稲墻さん:少しずつ、ジェットと会社のみなさん、会社のみなさん同士の関係性が変わってくると思います。

山田さん:いいですね。学セで感じたような関係性を、自分の会社の中でも育てていきたいです。

学習する組織×セルフマネジメント[第4期]
無料体験会を3回開催します(オンライン2回、対面1回)

「まだよくわからないけど気になる」「興味はあるけどワークショップはちょっと苦手」という方のための無料体験会を開催します。ただツールや手法を知るだけではなく、それらツールを用いる私たち自身が学び、変化していくプロセスをプチ体験いただけます。

「学習する組織×セルフマネジメント」では、参加者同士の関係性から学ぶことを大切にしています。「説明会」ではなく「体験会」としているのは、プログラムの説明を一方的に話す・聞くのではなく、「関係性からの学び」を体験することを目的としているためです。みなさまのご参加をお待ちしています。

体験会① 03/08(金)19:30-21:00 オンライン
体験会② 03/28(木)19:30-21:00 オンライン
体験会③ 04/25(木)19:30-21:00 対面@英治出版(東京・恵比寿)