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AIを迅速に実装できる構造とプロセスとは:『AIファースト・カンパニー』より「序章――衝突する世界」一部公開(2)

何年も前からあらゆる産業でデジタル変革が叫ばれていますが、多くの企業で本質的な変革には至っていないーー。改めて、AI時代に企業はどのような変革を求められているのか。単に業務の一部を置き換えるのではなく、真にAIを企業の中心に据えようとするとき、それは一体何を意味するのか。新刊『AIファースト・カンパニー』(マルコ・イアンシティ、カリム・R・ラカーニ著、吉田素文監訳、渡部典子訳)は、そうした問いに答える骨太な一冊です。
AI時代に企業が求められているのは、なるべく多くのビジネスプロセスで、シンプルなAIを展開させることであることを描き出す「序章 衝突する世界」の後半部分を公開いたします(前半はこちら)。

変革をジャンプスタートさせる

「古い企業が本当に自ら変革できるのか」とよく聞かれるが、ついにこの問いの答えが見つかったことは間違いない。コロナ対応における緊急性は、あらゆる業界ですでに企業をつくり替えてきた。医療分野を含むあらゆる業界で、一見凝り固まった伝統的な企業の多くが、自分たちも変革できること、しかも、迅速かつ即座に変革できることを発見してきた。以下がその例だ。

インターネットを駆使する

ソーシャルディスタンスで仕事の性質が変容するにつれて、インターネットの利用と帯域幅が必須となった。通信会社は日頃から重要なサービスを提供しており、あらゆる混乱に備えておく必要がある。しかし、ベライゾン・ワイヤレスのグローバルCIOであるシャンカー・アルムガヴェルは、同社のような世界最大級の通信会社でさえ、コロナ禍のような危機に関するプレイブックがなかったことを認めた。

最初の課題は、利用量が急増する中で、ネットワーク帯域とサービスの継続性を確保することだった。それと同時に、ベライゾンの13万5000人の従業員のほとんどが在宅勤務となったが、彼らが業務に必要なツールやプロセスにこれまでと同じようにアクセスできるようにしなければならない。

さらに、同社の1万人を超えるサービス技術者は設置や修理のために顧客の施設や住居に立ち入ることができなくなった。そこで、技術者がバーチャルで顧客を訪問し、遠隔で設置や修理に対応できるようにするソフトウェアを急いで配備した。

営業を続けていたベライゾンの店舗では非接触の購買体験を確立させた。顧客がアプリで事前に予約できるシステムを導入。小売店の従業員と顧客が遠隔から同じ商品情報を共有して見られるようにしたり、デジタル上で契約締結と本人確認を完結できるようにしたり、自動キオスク経由で現金を扱う方法などタッチレス・デジタル決済の選択肢を用意したのだ。

他の数々の組織と同様、ベライゾンは世界で最も機敏な企業として有名なわけではない。しかしパンデミックは、私たち全員に、それまで傍観していた変革やイノベーションを、迅速に行動に移す方法をもたらした。しかも、もう後戻りはできない。

経済界のリーダーや従業員は、オペレーティング・モデルの変革にどれほどテクノロジーが役立つかについて、基本的な事実として理解し受け入れている。私たちが話を聞いた多くのCIOたちと同じく、アルムガヴェルの目下の使命は、こうしたアプローチを恒久的に取り込むために事業部門と協力することだ。

小売体験をデジタル化する

人との接近を避けるように事業を再設計できない場合、どうすればよいのだろうか。コロナ禍で、デジタル化に本腰を入れてこなかった小売業者は、ECを導入するか、店舗を閉鎖するかの選択を迫られた。小さな個人商店からJCペニーやニーマン・マーカスなど大手チェーンまで、多くの企業が廃業に追い込まれた。世界第7位の小売企業のイケアはその影響の大きさと緊急性を認識した。世界中で展開する433の巨大な「ブルーボックス」店舗の大多数を閉める必要がある。突如として、利用できるのはECのみとなってしまったのだ。

イケアは直ちに対応した。ブルーボックス店舗はイケアのECサイトのフルフィルメントセンター(在庫を保持・出荷する物流拠点)になった。最高デジタル責任者のバーバラ・マーティン・コッポラの指揮の下、1週間で13地域のウェブサイトをクラウドに移行して一元化し、全地域のデータを集約、統合した。さらに3週間かけて、商品計画、価格設定、物流の担当幹部たちは、テクノロジー、データ、AIを活用しながら、イケアのレガシーを忠実に守りつつフルデジタルの小売体験づくりを学んでいった。これは重大な変化だった。

コロナ禍以前、イケアのカントリーマネジャーは50のEC市場に分かれて権限を持ち、地域ごとに独自のデータ戦略、価格設定、CX(顧客体験)の意思決定を行っていた。これまで何度も計画しては白紙になったデジタル変革の取り組みが、パンデミックによって現実のものになったのだ。

イケアはそこで打ち止めにしなかった。デジタルチームは「クリック&コレクト」モデルで非接触型フルフィルメントを実現し、顧客一人当たりの注文数を増加させた。オンラインでは、高度なAIがEC顧客に商品をレコメンド(推奨)し、店舗の販売チームの知見を補強した。最適な選択肢を提示された顧客はさらに商品を購入し、ショッピングカートの中身の量が急増し始めた。オンラインショップの売上高は3~5倍に増え、利益率も大幅に向上したのである。

この変革は、AI用オペレーティング・モデルを再構築する価値を実証し、店舗が再開されても消えることはない。同社では、デジタルとリアルを隔てていた伝統的な壁が崩壊した。物理的な小売チームは、デジタル・オペレーションを代替品よりも補完品として捉えている。

コッポラ率いるチームは現在、サプライチェーンの最適化と業務の効率化にコマを進めている。イケア全体を共通のデータ・プラットフォームに移し、顧客、従業員、サプライヤーの体験を向上させる多様なアルゴリズムをつくろうとしているのだ。イケアの顧客中心主義を支援しながら、従業員が店舗やオンラインで意思決定を補強し自動化できるテクノロジーを会社として今後も採用し続けていくことを、コッポラは期待している。

(中略)

パンデミックからの学び

ここまで見てきた例からもわかるように、AI時代が到来し、新タイプの企業が出現している。しかし、本書の執筆時点では、AI時代の進展には多少時間がかかり、みんなでその意味合いを考える時間があるだろうと考えていた。

また、経済全般でデジタル世界を受け入れ、変革に必要なケイパビリティや倫理を十分に理解できる新世代のリーダーが育つまで、しばらく時間がかかるとも思っていた。コロナ禍でこうした贅沢な時間は持てなくなった。地球上のあらゆる組織が今、それがどのようなプロセスであれ、なるべく早くデジタル化せざるを得なくなっている。

パンデミックの体験はデジタル変革が迅速に実現する証拠といえる。正直なところ、誰もが想像したよりも、はるかに速かった。ほんの数週間で、ほとんどの世界経済はバーチャルなモデルへと移行した。ビデオ会議ソフトを使える労働者が一斉にソーシャルディスタンスをとるようになると、移動は大幅に低下した。

大学はオンライン教育モデルへ移行した。医療システムは遠隔医療を採用し、保険会社や規制当局は規制や診療報酬方針を素早く変更した。テック企業はオフィスを手放し、一部の企業はオフィスの理念が永遠に変わると発表した。商業不動産の価値は急減し、エネルギーや旅行業界の株式も暴落した。

バーチャルモデルは序の口にすぎない。MGHのチャットボットから、イケアの顧客向け商品レコメンドのアルゴリズム、ノバルティスの重篤患者の予測モデルまで、あらゆる種類のAIが急速に実装されていった。

シリコンバレーを拠点とするテック企業でなくても、データ重視やAI重視の組織になることは可能だ。コロナ禍以前にも、コムキャストやフィデリティ・インベスメンツなどの組織がオペレーティング・モデルをデジタル化し、競争上の脅威に対応するために変革する事例を私たちは目にしてきた。しかし、古参企業に変革の必要性や実行可能性があるのかと、反対派は依然として疑問視していた。こうした議論に終止符を打ったのがコロナ禍である。

その一方で、意味のある変革を起こすために、計画と準備が行動の質や効果を向上させることも私たちは学んだ。MGH、ノバルティス、モデルナなどの組織が危機の中で達成したことがなぜ可能だったかというと、すでにそのアプローチを試験運用し、基盤を構築することに着手していたからだ。

HBSでも、大学全体を変革する際に、過去のオンライン教育の経験は非常に役立った。目下の課題は、変革を持続させ、思慮深くバランスの取れた方法で、それを形にしていくことだ。

こうした新しい観察結果は、本書の中心的なメッセージの多くを裏付けている。中でも重要なのは、オペレーティング・アーキテクチャが本当に重要であるというメッセージだ。AI重視の企業は、個々のアルゴリズムの洗練度ではなく、実際のビジネス上の問題解決につながる多数のAIソリューションを迅速に実装できる構造とプロセスによって定義される。

確かに、モデルナはデータ、アナリティクス、AIを輝かせるように設計されていた。しかし、MGH、イケア、ノバルティスでも、危機をきっかけに同種の統合データと組織構造に依拠して、革新的で正確なアナリティクスを迅速に生成し展開しようとする様子が見られた。さらに、アーキテクチャがあれば、迅速かつ俊敏で、拡張性と適応性のある対応が可能になる。コロナ禍のような指数関数的な脅威に追いつき、脅威と機会のどちらにも迅速に対処できるのだ。

シンプルなAI(いわゆる「弱いAI」)であっても、大規模に展開されれば、大きな影響を持ちうることが、事例から確認される。AIで違いを生み出すために、SF小説のようなものは必要ない。適切なデータを用いたシンプルなアルゴリズムで重要な結果を出せる。シンプルなチャットボットや基本的な機械学習であっても、重要な業務上のボトルネックを解消したり、重要な予測ができるならば、本当に大きな違いを生み出しうるのだ。

経済を変革し、企業の働き方を変えるうえで基礎となるのが、弱いAIの重要性であり、これは本書のもう一つの主要テーマといえる。たとえば、コロナ禍の支援策として病院に配備されたAIのほとんどはシンプルな機械学習アルゴリズムだった。それを適切なデータで訓練すれば、MGHでのN95マスクの供給のように、重要な予測に役立つかもしれない。

繰り返しになるが、なるべく多くのビジネスプロセスで、シンプルなAIベースのインフラ展開を推進することに尽きるのだ。

変革には犠牲を伴うことも留意しなければならない。コロナ禍は、デジタルの規模、範囲、学習が世界経済や社会に及ぼす影響を大幅に加速、深化させた。最も懸念されるのが、企業や個人などの持てる者と持たざる者の間のデジタル・デバイド(情報格差)にコロナ禍が及ぼす影響だろう。

デジタル・デバイドは今や、競争力、生産性、収入に影響するだけでなく、働ける人と働けない人、家で安全に過ごせる人とそうでない人、依然として営業を続けられる企業とそうでない企業の間の違いを明確にしている。さらに悲惨なことに、この格差は従来の経済的、人種的な不平等を際立たせているのだ。

パンデミックは私たちみんなを変えてしまい、フェイクニュースからバイアス、セキュリティ、プライバシーに至るまで、デジタル組織や業務プロセスに関わるあらゆる倫理問題を増幅させている。その中で、多くの政府機関や社会機関の分裂が加速し、市民の自由に対する脅威が先鋭化している。

この動きはまだ完全に終結していない。情報を伝えて民主的プロセスを守るために、私たち全員がローカルとグローバルの両レベルで議論を注意深く見守り、参加していくことが重要になるだろう。

データを知恵に昇華させる

危機は去ったと思っても戻ってくるものだ。私たちが今日ここでこの序章の最後の文言をタイプしている際にも、世界の健康、経済、政治はほぼ前例のない不確実性に直面している。一部の地域では新型コロナの感染が小康状態にあり、多くの国々で経済が再開されつつある。

それでも、コロナ禍の危機は全然終わっていない。都市の封鎖が解除されるとともに、ウイルスが戻ってきて、多くの国々やアメリカの州内で再び指数関数的に増殖し、猛威を振るっている。昨日は文字通り、アメリカと世界の1日の感染者数が過去最高を記録した。ボストンでの入院者数が減少すると同時に、MGHは新たな衝突に備えて計画している。万が一に備えてのことだ。

パンデミックが続く中で、残念ながら、別の基本的な教訓が浮き彫りになる。賢明なリーダーシップを欠けば、最高のデータやアナリティクスがあろうとも知恵につながっていかない、ということだ。パンデミックの最初の段階で得られた基本的な知見が、社会の一部でしか取り入れられていないのは悲劇的である。

たとえば、マスクが感染やスーパースプレッダー(特に周囲に感染を広げる感染者)の回避に役立つと統計的に確認されていることは今や周知の事柄だ。ところが、この基本的な分析的知見でさえ、多くの指導者は認識、尊重、活用することなく、不必要な死亡に事実上つながっている。大量のデータ、アナリティクス、AIがこのパンデミックを本当に過去のものにするような集合知に貢献できないことを恐れながら、私たちはただ座って見ているしかない。

しかし、実際にどのような未来が待っていようとも、経済のデジタル変革における前進が無に帰することはないだろう。デジタルの影響は至るところで認知され、その裏付けは共有されつつあり、趨勢(すうせい)は後戻りできないレベルに達した。私たちに確実にわかるのは、何が起ころうとも、変革のスピードは大幅に加速し、このネクストエコノミー時代を推進させるようなビジネスとテクノロジーのリーダーシップが直ちに必要になっていることだ。

リーダーに求められるのは、厳密さとアナリティクスの重要性を認識し、データ・プラットフォーム、デジタル・ネットワーク、AIのテクノロジーと経済性を一通り理解し、変化や変革に貪欲になることだろう。しかし何よりも、デジタルの規模、範囲、学習に関する倫理をしっかりと尊重し、変革を誤れば経済や社会に悪影響が及ぶことへの理解を深める必要がある。本書が戦略的リソースとしてリーダーの役に立つことを心から願っている。

(注)ウェブ掲載にあたり、可読性向上のため、改行を加えています。

【書籍紹介】
AIファースト・カンパニー――アルゴリズムとネットワークが経済を支配する新時代の経営戦略
マルコ・イアンシティ、カリム・R・ラカーニ著、吉田素文監訳、渡部典子訳

AI時代の競争と経営の基本原理を明らかにし、組織変革の道のりとリーダーシップまでを網羅。
AIの時代の競争と経営における不可逆的な変化の本質とは何か。なぜAIを部分的ではなく、企業の中核に据える変革が求められているのか。
ハーバード・ビジネス・スクール教授が、医療系スタートアップからアマゾンやマイクロソフトまで、さまざまな企業の事例を分析し、その成功と失敗を具体的に描き出す。企業が真のデジタル変革を進めるためのフレームワークを提示した一冊。
新旧企業の経営層、DX推進担当マネジャーの必読書!

[著者]
マルコ・イアンシティ(Marco Iansiti)
ハーバード・ビジネス・スクール(HBR)デビッド・サーノフ寄附講座教授。テクノロジー&オペレーションズ・マネジメント学部長、デジタル・イニシアティブ共同議長、ハーバード大学イノベーション・サイエンス研究所共同ディレクターを兼任する。
研究分野は企業や産業のDXである。特にデジタルエコシステム、AI中心オペレーティング・モデル、AIとネットワーク効果が戦略やビジネスモデルに及ぼす影響に重点を置いてきた。1989年にHBSの教員となり、同校MBA、エグゼクティブ教育、博士課程で幅広く教鞭をとってきた。製品開発マネジメント、新規事業立ち上げのコース開発を行い、「デジタル・イノベーションとトランスフォーメーション」コースをカリム・ラカーニと共同開発した。現在は、エグゼクティブ向けアドバンスト・マネジメント・プログラムのDX科目を担当。モデルNやキーストーン・ストラテジーなど数社の共同創業者である。単著に『技術統合』(NTT出版)、共著に『キーストーン戦略 』(翔泳社)など。

カリム・R・ラカーニ(Karim R. Lakhani)
ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)チャールズ・E・ウィルソン経営学寄附講座教授、ドロシー&マイケル・ヒンツェ寄附講座フェロー、全米経済研究所のリサーチ・アソシエイト。ハーバード大学イノベーション・サイエンス研究所 (LISH) の創設者兼共同ディレクター、インスティテュート・フォー・クオンティテイティブ・ソーシャル・サイエンスのNASAトーナメント研究所の研究責任者、HBSデジタル・イニシアティブの共同創設者でもある。
研究分野はクラウドベースのイノベーションモデルと、企業や産業のDXである。2006年からHBSの教員となり、MBA、エグゼクティブ教育、博士課程で幅広く教鞭をとってきた。MBAの新しい選択科目「デジタル・イノベーションとトランスフォーメーション」を共同開発し、エグゼクティブ・プログラム「ビッグデータとビジネス・アナリティクスでの競争」の共同議長を務める。また、データに精通した次世代リーダーを養成するために企画されたエグゼクティブ向けオンラインコース「ハーバード・ビジネス・アナリティクス・プログラム」の共同議長も兼務する。コンサルタントとして多くの企業のイノベーション戦略に携わり、モジラの取締役のほか、複数のAIスタートアップの顧問を務める。

[監訳]
吉田素文

グロービス経営大学院教授。立教大学大学院文学研究科教育学専攻修士課程修了、ロンドン・ビジネススクールSEP(Senior Executive Program)修了。
大手私鉄会社を経てグロービスに参画。ビジネス・経営の全領域を横断するゼネラル・マネジメントを専門とし、グロービス経営大学院での講義に加え、20年以上にわたり、製造業を中心に、経営者育成プログラムを設計・提供、幅広い産業での企業の戦略・組織課題に幅広く取り組み、これまで1500件を超えるビジネスの問題解決に係わる。近年は特に、デジタル、サステナブル、グローバルを中心テーマに活動。情報テクノロジー分野、サステナビリティ分野のリサーチ・実践に注力。テクノロジー企業との協働等を通じ、「第四次産業革命時代の戦略・組織への変革」「社会課題起点の戦略・ビジネスモデルの進化」等のテーマで様々な企業を支援している。
著書に『ファシリテーションの教科書』(東洋経済新報社)、共訳書に『一流ビジネススクールで教える デジタル・シフト戦略 』(ダイヤモンド社)がある。

[翻訳]
渡部典子

翻訳者。慶應義塾大学大学院経営理研究科修了。NGB株式会社、株式会社グロービスを経て独立。訳書に『両利きの経営』(東洋経済新報社)『再興THE KAISHA』(日経BP、日本経済新聞出版)『パーソナルMBA』(英治出版)などがある。


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