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『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開

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火の利用から気候変動対策まで。エネルギーと人類の歴史をわかりやすく解説し、現代に生きる私たち皆にかかわる「エネルギー問題」の本質と未来への道筋を描いた『エネルギーをめぐる旅──文…
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#エネルギー

文明の危機に、私たちは何をするのか──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(5)

文明の危機に、私たちは何をするのか──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(5)

  すべてうまくいくと信じているわけではないので、
  私は楽観主義者ではない。
  かと言って、すべてがうまくいかないと思うわけでもないので
  悲観主義者でもない。
  ただ私は希望を持っている。希望のないところに進歩はない。
  希望は人生そのものと同じくらい重要である。
  ──ヴァーツラフ・ハヴェル(チェコ共和国初代大統領)

エネルギー問題における最重要課題人類によるエネルギー利用がも

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ヒトの脳の飽くなき欲望──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(4)

ヒトの脳の飽くなき欲望──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(4)

19世紀まで続いた軍事と森林の密接な関係それにしてもなぜ古代の文明社会は、自らの文明を滅ぼすほどの勢いで森林資源を消費したのでしょうか。それには国家権力を支える軍事力の強化に大量の木材が必要不可欠だったことが、少なからず影響していると考えられます。要するに森林資源の多寡が軍事力に直結していたのです。

森林資源と軍事力が深く結びつく、その接点は大きく二つあります。

第一の接点は、金属製武器の出現

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文明を支え、文明に壊されたもの──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(3)

文明を支え、文明に壊されたもの──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(3)

レバノン杉の森ある初夏の週末。レバノンの首都ベイルートを早朝に出発し、北へと向かう大きめのワゴン車に私は揺られていました。

車窓の左手には地中海が広がっています。碧く光る海にはエメラルドグリーンに輝く帯が現れては消え、眺めていて飽きることがありません。一方の右手には、石灰岩の白い岩肌にオリーブや松の木がへばりつくように群生する崖線が続きます。土地は痩せぎみで、率直に言って単調な景色だといっていい

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農耕がもたらした光と闇──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(2)

農耕がもたらした光と闇──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(2)

エレヴァン・アルメニアにてアラブ首長国連邦にある大都市ドバイ。その郊外にあるシャルジャ国際空港を夜明け前に離陸したエア・アラビアG9247便は、典型的な褶曲山脈であるザグロス山脈の連なりを道標にして、アルメニアの首都エレヴァンへ向け、イラン領空を北上していきます。2時間半ほどのフライトののちエレヴァン国際空港への着陸態勢に入った機体の窓から見えてきたのは、残雪を被った標高5137メートルの霊峰アラ

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「火」は人類に何をもたらしたのか?──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(1)

「火」は人類に何をもたらしたのか?──『エネルギーをめぐる旅』本文一部公開(1)

バクー・アゼルバイジャンにて
カスピ海を抜ける風が涼しい初夏の6月、私はコーカサス地方を代表する大都市、バクーの街に降り立ちました。人口230万人を誇るアゼルバイジャンの首都です。

この街は、古くはシルクロードの交易拠点として栄えてきました。旧市街には、12世紀に構築された城壁に始まり、シルヴァン・シャー宮殿などの歴史的建造物が今なお残り、当時の栄華を今に伝えています。2000年には、これら一連

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